新歓の季節だぜ!
新型コロナの影響でちょっと遅れていますが、全国の医学部でも部活の新歓の季節になりました。このご時世ですから、基本的にオンライン新歓になっているようですね。
新歓では新入部員獲得のため、上級生があの手この手で勧誘してきます。
うちの部活は人数多くて楽しいよ!練習は週3回で朝練、昼練は希望者だけ!バイト、趣味とも両立できるよ!
この部活楽しそうだなぁ…….バイトもやりたいからキツくないのがいいし、もう入っちゃおっかな。
ちょっと待って!その部活、ブラック部活かも?部活はしっかり吟味して入らないと
今後の医学部での生活が破滅します。(断言)
医学部と部活の関係
医学部と部活は本当に切っても切れない関係です。ほぼ全員の医学生が何らかの部活に所属することになります。
ここで言う部活とは医学部に存在する、医学部生だけ(+若干名の他大学のマネージャー)で活動している部活のことです。
医学部はよく閉鎖環境と言われます。理由はいろいろあるのですが、他学部から独立したこの部活の存在も理由の一つだと思います。
医学部は他学部とキャンパスが別であることが多いです。
どの部活にもある程度個性的なカラーがあり、部内にいるとだんだんその部活のカラーに染まってしまうと言われます。学生に所属する部活を聞いて、その学生がどういうタイプか判断する教官も多いですね。
一般的なサークルと何が違うの?
医学部以外の学部には運動を楽しむことが目的のサークルが多数存在しますが、医学部にはその類の運動サークルは基本的に存在せず、どの部活も「ガチ」です。
受験生時代の競争意識が皆なかなか抜けませんね。
(文化系には緩い雰囲気の部活もたまにあります。)
これら運動部の活動の最大の目標は「東医体、西医体で勝つこと」です。東医体、西医体は毎年夏に行われる、東医体なら東日本、西医体なら西日本の医学生だけが出場できる体育大会で、かなり大きな大会となります。特に西医体は、国体に次いで出場人数の多い大会と言われています。
Wikipediaによると、2011年の西医体の総参加者数は14,570名です!
部活に入るメリット
医学生が部活に入るメリットとしては、①卒業後のコネを作れる ②試験情報入手が楽、などが挙げられます。
卒業後のコネを作れる
医者の世界はコネ社会です。コネと言うと聞こえは悪いですが、ようは顔が利くと仕事がやりやすいということです。患者さんを診察する上で、自分の専門外の疾患を疑った場合、専門の先生に紹介しないといけない場面は多くあります。そういう場面でコネは効いてきます。また、部活のOBの先生の話を聞いて研修病院を決めたりすることも多いですね。
病院によっては同じ大学の同じ部活出身の先生ばかり在籍していることもあります。
試験情報入手が楽
医学部の定期試験は難しいです。授業数は多いし、範囲もかなり広いです。講義レジュメを読んで教科書を読む、といった一般的な勉強法をしていては、とてもじゃないですが時間が足りません。
そこで、優秀な先輩方が作ったまとめプリントや、過去問の再現が力を発揮します。先輩から代々受け継がれた、持ち出し厳禁のまとめプリントがある部活も存在します。
ただし、DropboxやGoogleドライブなどがある現在では学年全体で有用な情報を共有する動きが強くなってきてはいます。
ブラック部活の特徴
そんな医学部の部活なんですが、中にはブラックな部活も存在し、注意しなければ医学部での生活が破滅します。(2回目)
ブラック部活に共通する主な特徴として
①練習、ミーティングなどの拘束時間が異常に長い
②部費、遠征費などの諸費用が高すぎる
③やめたくても簡単にやめることができない
などが挙げられます。
ブラック部活の実例
僕が今まで見てきたり、話を聞いてきた医学部のブラック部活の実例を一部ご紹介します。
実例1:朝練、昼練強制参加で週6部活
新歓では朝練、昼練は希望者のみと言われたのに、入ってみたら冠婚葬祭以外は強制参加。結局週6で部活をしています……
典型的なブラック部活ですね。朝練、昼練が頻繁にある部活ほどブラック度合いは増していきます。
実例2:終電までミーティング地獄
練習後に必ずミーティングがあります。内容は、その日の練習の様子を撮った動画を再生し、良かったところ、悪かったところをコメントしながら議論するものです。議論が白熱し日付を跨ぐことも多いです。私は実家通いなので終電で帰らせてもらってますが、下宿生は一体いつまで帰れないんでしょう……
頭がおかしいとしか言いようがありません。夕方から練習が始まるとして、1日何時間部活に拘束されてるんでしょうか?
実例3:ミーティング前のミーティング前のミーティング
僕の部活は80人以上の大所帯なんですが、数が多すぎるので全体ミーティングをする前に、まず各学年ごとでミーティングをします。各学年ごとでも15~20人以上と多いのでそのミーティング前にも5人くらいのグループに分かれてミーティングをします。
落語ですか?無駄が多すぎます。
実例4:強制車出しで事故→裁判沙汰になりかける
雪国の医学部に通ってます。冬場は車で30分かかる外部施設で練習します。車を持ってるので強制的に車出しさせられていました。運転に自信がないので、車出しから外してもらうようにお願いしていましたが、聞き入れてもらえませんでした。
ある冬の日、部員を乗せて車を運転していたらスリップし、自損事故を起こし数日入院しました。回復後もう一度車出しから外してもらいに行きましたが、結果はダメ。親に相談すると親はブチ切れて部長を訴えると言い出しました。
必死に止めた結果、訴えることはなくなりました。その後、学生課に話を通して車出しからも外してもらいました。
怖いですね。親が動かないといけない事態にまでなるのは珍しいですが、部全体がパワハラ気質だとこういうことは起こりえます。
実例5:退部阻止のため部員が実家に押しかける
部活のせいで帰るのが遅くなり、家族に迷惑をかけていました。成績も落ち、定期試験の本試を何個か落としました。親に「部活をやめろ」と言われ、退部の意向を部長に伝えたところ、部長は「親御さんを説得する」と言い、幹部を引き連れて自宅へ押しかけてきました。親はカンカンになりました。
おそらくこの部長は「自分は良いことをしている」と思っています。部活という閉鎖環境内で宗教じみた価値観が生まれるのもブラック部活の特徴です。
ブラック部活の見分け方
当たり前ですが、新歓では各部活、いいことしか言いませんし教えてくれません。
ちょっとでも部の悪いイメージを見せれば新入生の間でその情報が共有され、誰も入部してくれない可能性もあるので各部活、新入生を騙すことに必死です。
新入生は自分でブラック部活を見極める必要があるのです。
「こういう部活は絶対ブラック部活!」といった完璧な見分け方はありませんが、傾向としてはやはり、やたら人数が多い部活は要注意です。
これはチーム競技であろうと個人競技であろうと関係ありません。
人数の多い部活は「きつい練習をみんなで乗り越えて一体感を出そう!一つになろう!」という雰囲気がまさに異常で、宗教じみていることが多いです。
また、ネットでその部活の大会での成績を調べてみても良いかも知れません。
強い部活は、やはり部員を洗脳させて長時間練習させているところが多い印象です。
貴重な学生生活をブラック部活で無駄にしないで!
ブラック部活はやめたいと思っても簡単にはやめれません。何度も言っていますが、ブラック部活は宗教さながら部員を洗脳しており、1人抜けると「なんであいつ抜けたんだろう?部活キツいからかな?俺も抜けようかな…?」と部員に考える隙を与えることになり、洗脳が解けていってしまうからです。
競技を仕事にしているプロなら、洗脳で成績が上がるならそれでも良いと思います。
医学生は競技のプロではないです。部活以外にやりたいことはたくさんあるはずです。
ブラック部活に入ると貴重な学生生活のほとんどが部活のせいで潰れます。これを読んだ新入生の皆さんがそんな事態にならないことを願っています。
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コメント
医学部に入るときはあんなに賢いのに部活のミーティング無駄やとは思わないんですよねぇ〜。
初心者も多くて何見ればいいかわからないから余計無駄なミーティング増えるし
ゆーて同級生の友達おるし部活必要無かったよ、5年目だけど部活によるアド1度もなし
自分達が1年生の頃と比べてブラック部活減った気がする